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伊豆戸倉城 ~ 笠原の裏切り

 みなさん、こんにちは。
 中世城郭愛好家、土の城派、武蔵の五遁です。
 平成26年1月18日、お城仲間のMさんと戸倉城に行って参りました。

北伊豆
 静岡県駿東郡清水町徳倉にあり、公園として整備されています。

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 城の北側に駐車場とトイレがあります。

 戸倉城は、「東曲輪」と「西曲輪」に分かれています。

 駐車場からは、「東曲輪」と「西曲輪」を隔てる堀切を望むことができます。

 「東曲輪」が主要部で本城山とも呼ばれ、頂上まで遊歩道が整備されています。

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 解説版です。

 蛇行する狩野川に三方向を守られています。

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 戦国時代に北条氏綱が築いたようです。氏綱の父早雲は伊勢新九郎を名乗る今川家家臣の立場でした。氏綱は北条を名乗り、今川家から独立した大名として動き出しますので、今川との国境を固める意味があったことでしょう。

 1568年から71年にかけ、武田勢が度々攻めよせたということです。

 1581年には、武田の攻勢に耐えかねた、城将笠原新六郎が武田へ寝返り、戸倉城は武田の城となりました。

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 堀切には祠がありました。

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 堀切から見上げた「東曲輪」の塁壁です。「東曲輪」が独立性の高いスペースであることがわかります。

 「西曲輪」は藪が激しいため、踏査を断念しました。

 踏査断念の理由の一つは、この日のメインが「上香貫手城山」と「烏帽子岳城」であったこと。

 もうひとつの理由は、この城に立ち、周辺の城との位置関係を確認することを主眼としていたことです。

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 「東曲輪」の頂上部分です。

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 有名な展望台です。登ってみましょう!

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 沼津城を築いた武田勢が、上香貫手城山で北条勢を敗走させ、烏帽子岳城を手中に・・・

 武田の脅威が迫りくる実感がわきますね。

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 次は北側の写真です。

 戸倉城と泉頭城は、ともに北条の城として、連携して武田に対抗していました。

 しかし、戸倉城が武田の城となると、両城は衝突を繰り返しました。こんな目と鼻の先で対峙していたんですね。

 当時の緊張が伝わってくるようです。

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 南側です。伊豆における北条氏の最重要拠点韮山城が遠望できます。

 北条氏は韮山城の防備を固めるため、大平新城を普請しました。

 笠原新六郎は大平新城へ攻めよせたとのことです。

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 大平新城からの、戸倉城の遠景でお別れです。

 ホームページ 「土の城への衝動」 > 「静岡の城」
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Comment
Re: このパターンも最高す!
リュウ様 御来訪ありがとうございます。

 戸倉城の遺構たちには申し訳ないレポートとなってしまいましたが、位置関係を視認することで、戸倉城の戦略上の重要性を浮きたたせることができればと考えました。
 笠原さんの内通には諸説ありますね。中には武田内部の情報を入手するため、北条本家が命じたのではとおっしゃる方もいます。
 武田滅亡後、笠原さんは北条への復帰を許されています。
このパターンも最高す!
対峙する城からの遠景 往時をしのばせますね!今以上に命そのものを懸けてるわけで内通者が出ないように統率するのは大変だろうと思いました。ついこの間興国寺に行っていましたが、こちらは知りませんでした!シリーズ最後まで楽しませていただきます!
訪城報告ありがとうございます!
Butch様 御来訪ありがとうございます。

 雪の後の山城は厳しいですよね。
 その厳しい中、烏帽子岳城の岩場にも行かれたのですね・・・ スゴイ!

 山城で泥まみれになって下界に降り立つときは、「変な目で見られたら、
どうしよう・・」と不安になりますね。

 まして、空腹に耐えきれず飲食店に入らざるを得ないときは、心細いです
ね。

 下城はいけませんでしたか? 残念です。花粉がなくなった頃、トライし
てみようかなと思っています。

 花粉の時期に静岡に行くと、私は大変なことになってしまいますので・・

> 立地・遺構についての私見を再度コメントさせて頂きたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

 再度のコメント、楽しみにさせて頂きます!

 待ち遠しい・・・
訪城報告です。
こんにちは、本日 手城山、烏帽子岳に行ってきました、楽しみました~ 上城南土橋が現れた時には歓喜が!
単身 車両一台でしたので行動範囲を広げられず。
戸倉城に駐車~香貫山~上香貫手城山~横山~烏帽子岳 上城・中城~横山~横山・徳倉山間の峠~戸倉城 と約5時間コースでした。
立地・遺構についての私見を再度コメントさせて頂きたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
本日は昨晩の雪の為 足元が悪く早速手城山で滑って落ちて横山頂上に着いた時には木から落ちる雪解け水とで、びしょ濡れ泥まみれ状態でした(今後行かれる方は ここは雨上がりNGです) 久々に「どうにでもなれ!」でした(笑)
コンディションが悪くあちこち見て廻れなかったので、五遁様の記事の遺構を追いかける形になりました、本当に助かりました!
下城には戸倉城側からどうにかしようと思ったのですが・・・ダメでした、次回晴天続きの時期に再挑戦したく思います。
帰宅後 山地図の等高線とニラメッコしています。
それでは またよろしくお願いいたします。
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