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安威砦 ~ 「への字」防衛ライン

 みなさん、こんにちは。
 中世城郭愛好家、土の城派、武蔵の五遁です。
 平成25年3月27日、安威砦(やすたけとりで)に行ってきました。
 静岡県掛川市下土方にあります。

 何故か六砦に入っていませんが、徳川方の記録「横須賀根本歴代名鑑」に名前が挙がり、獅子ヶ鼻砦、火ヶ峰砦と共に大須賀康高の持ち分であったと記されています。

高天神付城分布
 静岡県総合基盤地理情報システムによる城域を書きうつしました。

 こうやって見ると火ヶ峰砦と安威砦は一体化して、ひらがなの「へ」の様なラインを描いているのが判ります。このライン取りには下記の経過があったのではないかと妄想しました。

(1)武田勝頼は南の、海沿いの道を通って、度々、高天神城へ補給をしています。高天神城の攻囲が完成する前までは、安威砦南方の惣勢山砦、畑ヶ谷砦、星川砦は武田の保塁として機能しいたと思われます。

 徳川としては、「武田軍が南の道から北上して、掛川城と諏訪原城を分断するのを防ぎたかった。

 まず、能ヶ坂砦を築いて様子を見、次に「へ」の短いラインへ普請して、南からの侵攻に備えた。

 安威砦と、火ヶ峰北西遺構ともに、南方への防御に多大の労力を注いでいるのはそのためではないだろうか。

(2)武田からの攻撃をかわしながら、火ヶ峰砦を徐々に伸ばして行き「へ」のラインを完成させ、北東への守りを固めた。

(3)獅子ヶ鼻砦、西ノ谷砦、田ヶ谷砦を順次普請し、惣勢山砦を無力化していった。

安威アク
 火ヶ峰砦の南方に大きな堀があります。

136_20130405202929.jpg
 大きな堀の写真です。奥が火ヶ峰砦北西遺構です。この堀と安威砦の遺構をつなげて、武田勢の北上を食い止めようとしたのではないかと推察します。

 さて、安威砦へ挑みます。

 登り口が判らなかったので、北側の教会の脇の田んぼのあぜ道を抜けて、山肌に取りつき、直登しました。道はありません。

016_20130331071951.jpg
 尾根筋に達するとあいまいな削平地があり、土橋状の地形を過ぎると、写真の段郭がありました。

017_20130331072110.jpg
 先ほどの写真の下の段です。5段以上続いているように見えました。

安威
 南西方向から見たイメージ図です。先人の図面が手元に無かったので、自らのスケッチと地形図からおこしました。

 この砦の図説がネットに公開されるのは、当方が初であると思われます。

 竹藪が酷くよくわからない場所が多かったので自信が持てません。私より正確な図面が描ける方が踏査され、その図面が公開されることを望んでやみません。

 ただ、私が申し上げることが出来るのは、南からの侵攻に備えることに普請の主眼が置かれているということです。

019_20130331073013.jpg
 北側の尾根筋を防御する堀です。

022_20130331073236.jpg
 写真は沢山撮影したのですが、家で見てみると「ただの竹林」にしか見みえないものばかり・・・

 この写真はC郭から、B郭方向を撮影したものです。竹と竹の間に、うっすらと土橋が見えるようですと、重度の土の城中毒です。

023_20130331073727.jpg
 土橋です。

025_20130331073907.jpg
 D郭の下の段の下の写真です。谷底はこの様に広く、ふもとにかけて所々段築がなされているように見受けられました。兵士の駐屯場所として利用したのでしょうか?

030_20130331074144.jpg
 お薦めのアクセスをご紹介いたします。保育園から川沿いの道を南へ下り、写真の場所から谷へと入っていきます。

028_20130331074344.jpg
 広い墓地がありますので車を停めさせて頂くとよいでしょう。

 写真左下に二本の柱があります。そこから上を見上げると・・・

027_20130331074550.jpg
 金刀比羅宮への階段が伸びています。金刀比羅宮からは尾根を右側に登り、登り詰めたら左折しましょう。

*これをもちまして、高天神城東方付城群の踏査は終了です。

 比高はさほどでもないのですが、地形は険しく、登り口が判らない、酷い藪との戦い・・・

 どうにか終了できたのは、「武田マニアとして武田終焉の契機となったこの地を心に刻みたい」という想いがあったからでしょうか。

 ホームページ 「土の城への衝動」 > 「静岡の城」
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