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皆川城(5) ~ 決死の脱出

 皆川城の最終話です。

 GEDC2979.jpg
 「西の丸」の表示です。

*1590年2月、豊臣秀吉による北条征伐の軍が催されました。

 北条氏が上洛命令に従わず、真田の名胡桃城を攻め、私戦停止命令に背いたからです。

 皆川氏は、北条氏の命により、軍勢を率いて北条氏の本拠小田原城に入りました。

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 「西の丸」の西側にある「やぐら台」に登ってみました。

*3月末には徳川家康が、北条の西方塁壁として普請強化された中山城を僅か1日で落とし、北条勢には衝撃が走ります。

 徳川家康をはじめとする秀吉軍が小田原城を囲むと、皆川広照は配下と共に小田原城を脱出しました。

 かねてより家康と連絡を取り合っていたとはいえ、決死の脱出であったことは間違いありません。

 北条氏にとって広照の寝返りは、中山城落城に続く打撃であり、戦意を大いにそがれたことでしょう。

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 「西の丸」から本丸方向を撮影しました。

*皆川広照は、秀吉に拝謁を許され、旧領を安堵されます。
 
 7月に、北条氏は小田原城を明け渡し、没落します。

 皆川広照も脱出できなければ、同様に没落していたことでしょう。

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*皆川城は堅城ではありましたが、山あいに位置し、険阻に過ぎた為、皆川広照は平地に栃木城を新たに築き、領国統治の要としました。

 栃木城完成を持って、皆川城は廃城となったことと思われます。

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 「本丸」への道を登っていきます。途中に狭い郭があります。

*さて、蒸し返して申し訳ありません。

 先ほどお伝えした「皆川広照小田原城脱出説」と異なる記述がある資料も多くあります。

 皆川広照は、小田原落城まで、小田原城に籠っていたとする資料です。

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 「本丸」です。このあずま屋の設置の為に遺構が破壊されている感じがします。観光と遺構保存の両立は難しい課題ですね。

*小田原落城まで、小田原城に籠っていた者が本領を安堵されるなどあり得ない!

 そういった感情が当時を支配していたことでしょう。

 しかし、皆川広照は本領を安堵された・・・

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 「本丸」から見下ろした南側の郭たちです。

*天正壬午の乱で徳川家康に馳走したから安堵された、例外の例外・・・

 それでは、周囲の納得を得ることは難しい・・・

 そうだ! 皆川広照は他の投降者よりも早い段階で投降したから本領を安堵されたのだ・・・

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 城址碑も新設されているようです。

*そのような情報操作が、徳川家と皆川家から行われたと・・・

 妄想するしかありません・・・

GEDC2985.jpg
 北条の大軍が溢れたであろう城下の風景でお別れです。

 ホームページ 「土の城への衝動」 > 「栃木の城」
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Comment
Re: 皆川城北側
トウシロウ様 ご来訪ありがとうございます。

 そして、新年あけましておめでとうございます。

 つたないイメージ図を活用いただいているとのこと、大変、嬉しく、感謝申し上げます。
 中居城はいいですよね。私の好きなタイプです。
 私は気分にムラがあり、とことん踏査するぞ!という日と、サラッと流そうという日があります。
 皆川城訪問の際は、サラッと気分の日で、北側は踏査しておりませんした。
 その点では、トウシロウ様の方が先人です。

 当方、福祉職で都内に務めております。
 コロナ第三波の中で、県をまたいでの城訪問は自粛しております。
 コロナ禍が終息し、皆川城北側を含め、多くのお城を訪問できる日を渇望しております。
 浄福寺城は、拡張の年代の違いによる普請技法や防御構想の違いが楽しめます。
 滝山城は北条流築城術の素晴らしさを堪能できます。
 私の分まで楽しんでいただければと思います。

 自粛で気が滅入る中、コメントを頂いたことで、元気を頂けました。
 ありがとうございます!
皆川城北側
五遁様
新年明けましておめでとうございます。
初めてコメントさせていただきます。
鎌ヶ谷のトウシロウと申します。
訪城歴5年の初心者に毛が生えた程度の者です。
不躾ながら勝手に師と仰ぎ、城攻めの
際は必ずこちらの縄張り図を持参し教科書とさせていただいてます。
今年の城始めは、茨城県の中居城と島崎城に行って参りました。島崎城の縄張り図も是非お願いしたいところですが、それより何より皆川城北側についてお師匠様の考察をご教授いただけないかと、コメントさせていただきました。
南側は公園化され過ぎていますが、北側には数々の竪や横に伸びる堀や土塁、屈曲を重ねた小口等見処満載です。(当にご存知とは思います。生意気申してすいません。)
未熟者は未熟者なりに考察はしておりますが、お師匠様の見解を是非ご教授いただけたらと存じます。
ご多忙でしょうし、他に行こうとなさっているお城もお有りとは存じますが、もし気の向くことが有ればご一考いただければ幸いです。
明日は浄福寺城と滝山城を攻める予定です。当然何枚にも渡るお師匠様の縄張り図を持参し、楽しんで参りるつもりです。
長々と失礼いたしました。今後ともこっそりお世話になり続けます。
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