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宮寺氏館 ~ 八王子落城にて没落

 みなさん、こんにちは。
 中世城郭愛好家、土の城派、武蔵の五遁です。

宮寺アク

 平成24年5月12日、休日出勤の帰り道、宮寺氏館跡に行って参りました。 

GEDC1931.jpg
 埼玉県入間市宮寺にある西勝院の敷地がそれにあたるとのことです。

GEDC1932.jpg
*入間市ホームページには、「この館跡は村山党の祖・平頼任の孫で宮寺五郎を称した家平が築いたと伝えられる。」と記述されています。

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 イメージ図を作成しました。残存部分は図に「残存」と示した部分のみですので、9割方妄想です。

 「残存2」の土塁は西勝院を囲むように折れ曲がっています。やはり西勝院が主郭であったようです。

 写真をとるのを忘れてしまいましたが、主郭と推察する範囲を外れて、「残存1」の土塁があるため、単郭ではなかったということになります。

 注目すべきは小川です。宮寺氏館の西側の堀を形成していたと思われますが、これが意図的に2回屈曲させられているところです。このラインと現在の道路のライン(道路は往時堀であったケースが多い)を結ぶと城郭としての輪郭が・・・

GEDC1933.jpg
 「残存2」の土塁です。奥で左側へ直角に曲がっています。

*宮寺氏は、戦国期には青梅を本拠とした三田氏に仕えていました。

 三田氏と宮寺氏は、1560年、上杉謙信の小田原攻めに参加しましたが、上杉謙信はすぐに越後へ引き返してしまいます。武蔵の豪族たちは謙信が越後へ帰るやいなや次々と、小田原北条氏との関係を復活させますが、三田氏だけは反北条の立場を維持し続けました。

GEDC1935.jpg
 曲がった先の土塁です。

*北条氏康は1563年、三田氏を攻め、滅亡させます。このとき宮寺氏は本領を安堵されていますので、早い段階で三田氏の傘下を離れ、北条に与していたと思われます。

GEDC1938.jpg
 西側から見た西勝院です。白い塀の向こう側が若干高くなっています。

*宮寺氏は、滝山城主北条氏照の配下に加えられたとのことです。

GEDC1937.jpg
 白い塀の手前には小川が流れています。

*北条氏照はその後、拠点を滝山城から、八王子城へ移します。

 滝山城が武田信玄により落城寸前まで追い込まれた為、より、険阻な山に八王子城を築いた・・・

 甲斐から敵が来た場合、より早く迎撃できる位置に拠点を移した・・・

 様々な理由が考えられています。

GEDC1943.jpg
 小川が南から北へ流れ、直角に流路を変え、西へ向かっている場所です。

*1590年、豊臣秀吉による北条征伐が敢行されます。

 北条氏の重要拠点「八王子城」に籠った武将の中に宮寺氏の名前があります。八王子城は落城しましたので、宮寺氏一族は没落したと推察されます。

 入間市ホームページには「江戸時代には狩尾氏・伊濃氏が次々に居を構えたといわれる。」と記載されており、宮寺氏は居館を放棄せざるを得なかったことがうかがわれます。

 自宅近くの無名豪族も、調べてみれば数奇な運命をたどっていたのですね。

GEDC1930_20120516214938.jpg
 西勝院の門の写真でお別れです。

 ホームページ 「土の城への衝動」 > 「埼玉の城」
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Comment
Re: じつは
丸馬出し様 御来訪ありがとうございます。

 雄大な土塁や堀に魅了されるのは勿論なのですが
わずかな窪みや盛り上がりに、往時の遺構を妄想す
るのもたまらない喜びですね。
 古い地籍図や最新の航空写真なぞを見比べで、あ
あでもない、こうでもないと線を引いては消して、
喜んでいる様は、城マニア以外からは全く理解され
ないのでしょうね~

> 実は、平地の館跡は大好きなんですよ。
> なぜかといいますと、
> 復元する楽しみがあって
> とても興味をそそられるからです。
> とはいっても、耕地整理や団地化
> されてしまうとお手上げですので
> ネットでも戦後あたりの地図が
> 閲覧できると面白さがふえていいのですが(笑
じつは
実は、平地の館跡は大好きなんですよ。
なぜかといいますと、
復元する楽しみがあって
とても興味をそそられるからです。
とはいっても、耕地整理や団地化
されてしまうとお手上げですので
ネットでも戦後あたりの地図が
閲覧できると面白さがふえていいのですが(笑
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 みなさん、こんにちは。 中世城郭愛好家、土の城派、武蔵の五遁です。 平成24年5月12日、休日出勤の帰り道、宮寺氏館跡に行って参りました。  埼玉県入間市宮寺にある西勝院の敷地がそれにあたるとのことです。*入間市ホームページには、「この館跡は村山党の...
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